「不用品を無料で回収する」といった謳い文句とともに巡回しているトラックや家まで訪問してくる業者に出会ったことはありませんか?
家にある不用品を無料で処分できるなら良いのでは?と考えるかもしれませんが、無料で不用品回収を承っている業者は危険な可能性もあります。
実際に無料で回収すると言っていた業者との間でトラブルに巻き込まれたという事例も多く発生しています。
この記事ではなぜ無料で不用品を回収している業者がいるのか、なぜそのような業者が危険なのかを詳しく解説していきます。
東京都で不用品を処分は「無料」でできる?
そもそも業者に頼らず東京都で不用品を無料で処分できるのでしょうか。
ゴミの日にそのまま処分できる燃えるゴミや燃えないゴミとは違って、大きな家具や家電などを処分する際に自治体や業者を利用するにはお金がかかります。
自治体の場合は品目によって料金が異なりますが、代替500円から2000円ほどで粗大ごみを処分できます。
不用品回収業者に依頼した場合は不用品の量で料金が決まることが多いのですが、少量で5000円~となります。
正しい処分方法を用いていれば無料で処分できるという事はまずありません。
不用品を「無料」で回収できるのはなぜ?
では、冒頭でも紹介した通り無料で不用品の回収ができる業者は、なぜそのようなことが可能なのでしょうか。
ここからは廃品回収業についてと、無料で不用品が処分できる理由、無料で不用品を回収している業者の違法性を解説します。
廃品回収業者とは?
それに対し、不用品回収を行う業者は換金の有無と問わず回収を行い、不用品の処分には人件費、車両費、処分料など多額のお金がかかります。
様々な種類の不用品の回収ができるため、処分したい不用品が多い方にはとても便利です。
このように、本来お金がかかる不用品処分にも関わらず、廃品回収業者はなぜ無料で回収を行っているのでしょうか。
無料の理由は「回収した不用品の転売」
無料で回収ができる理由は、回収した不用品を別の場所で転売しているからです。
簡単に仕組みを説明すると、使える・使えないに関わらず様々な不用品を回収してその中からまだ使えるものや再び販売できるような価値のあるもののみを転売し、お金にしているのです。
家具や家電を購入したいけど新品は値が張るから、と迷っている人にとって値段が安くまだ使える家電や家具は需要がありますし、仕入れ値となる部分は無料なため、その差額を利益にしているのです。
「古物商許可」を持たない違法な廃品回収業者がいる
不用品回収を行うためには以下の三つの許可が必要になります。
- 一般産業物収集運搬許可
家庭から出る家電・家電やごみなどを回収するために必要な許可です。 - 産業廃棄物収集運搬許可
企業や法人から産業廃棄物を回収するために必要な許可です。 - 古物商許可
回収した不用品を販売、リサイクル品の買取を行うために必要な許可です。
この中でも回収した不用品を再び販売するために必要なのが、最後に紹介した古物商許可です。この許可がないと回収した不用品を販売することはできません。
この古物商許可は、警視庁の生活安全防犯係が管理しており、取得するためには警察署に届け出なければいけません。
古物商許可を取得していないにも関わらず回収した不用品を販売するのは違法であり、3年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられることがあります。
また、許可をとらずに営業をしていた場合、すぐに営業停止となり、古物商許可を5年間とることができません。
中には古物商許可をとらずに運営している違法な業者もいることを覚えておきましょう。
「無料」の廃品回収業者による危険性
とはいえ、無料で回収してくれるなら良いのでは?と思ってしまうかもしれません。
ですが、無料で不用品を回収する業者による危険性も多数存在します。
最終的に高額な請求をされる
初めは無料で回収をうたっていても、回収後に高額な請求をされたというトラブルは少なくありません。
トラックに不用品を乗せたあとに請求され、料金がかかるならとキャンセルしようと思っても「下ろすのにもお金がかかる」「ここまでの作業代がかかる」など、様々な理由をつけて料金を請求されます。
中には初めの額から10万円以上を上乗せされて支払ったという方や、思わぬ高額な料金を提示されたという方もいます。
もし払ってしまってもトラックで巡回していた業者や直接家に来た業者は会社の所在地が分からないため警察に相談しても返ってこないことがほとんどです。
不法投棄
無料で不用品を回収し、売れるもののみ転売したあとに売れない不用品は不法に投棄されることがあります。
不法投棄された家電や家具が積み重なった写真などを見たことはないでしょうか?
そのほかにも、自宅からさほど離れていない道端に回収をお願いしたはずの家電を捨てられたというケースもあります。
ここまでひどい対応はありえないように感じますが、実際に調べてみるとこのような例が多数起きています。
許認可を得た不用品回収業者を利用しよう
ここまで紹介したような理由から、不用品の回収を依頼する際は必ず許可を取得している業者に依頼してください。
許可をとっていない廃品回収車は所在地が分からず、万が一詐欺にあってしまっても対処ができません。
許可を得ている業者であればホームページも存在し、会社の場所が明確なため、このような問題が起きにくいものです。
知らない間に不法投棄などの問題に加担してしまわないためにも、許認可を得ている業者に依頼しましょう。
許可をとっているかどうかは会社のホームページから見ることができる「会社概要」の欄に記載されています。
今回は無料で不用品を回収している業者が無料回収をしている理由やその危険性などを紹介しました。
このように、無料回収を謳う業者が来ても、すぐに取引をするわけではなく悪徳業者がいるという事を頭の隅においておくようにしましょう。
古紙や段ボール、まだ動く家電など使わなくなった物や換金できるものを、回収してくれる業者で、料金は業者によって変わります。